戦争に怯える空軍兵士が上官に、
自分は『精神異常者だ』とアピール。
除隊を目論む。
しかし、自分が異常だと理解している者は異常ではない。
むしろ理性を持っているので『正常』だ。と却下される。
反対に、
兵士として、出撃に参加したい者こそ、気の狂った異常者である。
なので出撃はしなくてもいい。
つまり、
戦場から逃げたい正常者が逃げられず、
出撃したい異常者が解放される。
矛盾だ。
ん?
なら、狂人のフリをして出撃を希望すればいいんじゃないか?
君はあんなこと言っている上官を、信じられるのか?
『おぅ、威勢がいいな、頑張って!』
終了である。
パラドックス、
いや、ただの理不尽だ。
これは、
『キャッチ22』、という、
戦争の狂気と不条理をテーマに、
人をおかしくする戦場で、まともなことを言い出す人間が変人扱いされていくストーリーである。
戦争を利用し、名声を集めようとする者。
商売をはじめる者。爆撃そっちのけで看護婦と恋愛を始める者。
何が正常で、何が異常なのか。
誰よりも特徴のない人間、つまり普通の人が、みんな特徴のある人の集まるところにいけば、
個性のない人間が、一躍、個性のある人間になってしまう。
見栄晴だ。
SMR、『相対性 見栄晴 理論』と名付けよう。
無理してポジティブに考える必要なんて、一切ない。
自分をダマしたって、それは本当の強さじゃない。
弱さ(別に見栄晴さんを弱いと言っているわけではない)を認め、そいつを真正面から理解してやることが本当の強さなんだろう。
ヒントはどこでも無い、
それはいつも自分の中に落ちているんだ。
見栄は、張らない方がいいんだ。