経営不振に陥った複数の牧場。その牧場主たちが集い緊急会議が開かれた。「残る手だては一つしかない。コスト削減のため、互いのウシが同時に過ごせるスペース、つまり共有地を作ろう」と背水の陣を敷く。

すると決断が吉と出て経営状況は順調に回復。しかしすぐに問題が起きます。というのも、ある牧場主が自分の持っているウシを大量に放したのです。そう、個々の牧場主たちは土地を共有しただけで、ウシ自体は共有していません。

となれば牧場主は自らの牧場の利益最大化のため、ここぞとばかりにできるだけ多くのウシを放すようになる。一度そうなればもうあとには引けず、他の牧場主も負けじと大量のウシを放牧し、放牧合戦。はじめの意図はどこへやら。あっという間に共有地の草はなくなってしまいました。

全員にとっての共有が、全員にとって最悪の事態を招くケース。まさに彼らは『失敗』そのものを共有してしまったのです。本来共有しなければならないものはウシでも牧場でもなくココロ。それで全てはOK牧場です。

言っちゃった。