ギリシャ南方地中海沖に浮かぶ島、クレタ島。このクレタ島に住むクレタ人の一人がこう言います。

「クレタ人はいつも嘘をつく。クレタ人はみな嘘つきだ!」

何があったかその背景は知りませんが、でも何か引っ掛かりますよね。だってもし『クレタ人はみな嘘つき』なのが本当だったなら、クレタ人である彼の言うことも嘘でなければならない。しかし、彼が言ったことが嘘なら彼が言ったことは本当になる。しかし彼が言ったことが本当なら..。わー!と、堂々巡りが始まってしまいます。

『嘘(lie)なしでは信じる(believe)は綴れない』と言うように、嘘は真実の対極に位置するのではなく、嘘は真実のうち、なのかもしれません。