食べ物だけでなく建て物までも年々欧米化していく今日このごろ。そんな今日このごろになる前、子供たちの背徳ゴコロをかき立てまくった禁断の遊び、そう、障子破り。

バレないように指につばをつけて、ゆーっくりとスクリューをかけながら貫通させるあのときの喜びは、何ものにも代え難い。しかしやったはいいものの、ごまかすのはほぼ不可能。見つかればこっぴどく叱られる。でもあの「ぼすっ」という快感..。あの障子の向こう側には何があるのか。本当に窓や隣の部屋があるのか。ひょっとして異次元の世界があるのかもしれない。そんなことまで想像してしまう。

そんな禁断の障子破りにも、時にフィーバーが訪れる。そう、年末だ。年末の張り替え時にはオトナのお墨付き、いや、むしろGOサインが出て、思う存分障子を破ることができる。指でそっとあけてみたり、渾身の右ストレートをぶちかましたり。掟破りの目つぶしだって解禁だ。目は完全にイっている。 

5分経過 . . .

快感よりもむしろむなしさがこみ上げる。なぜだ。なぜあんなにやりたかった障子破りがこうもつまらないのだ。答えは「GOサイン」にある。そう、障子破りは禁じられていたからこそ、面白かったのだ。禁じられていない障子破りなど面白くも何ともない。

叶わないほうが幸せなことは、世の中には山ほどある。