とにもかくにもマンパワーというのは凄まじく、良くも悪くもそのマンパワーによって、人は数々の不可能を可能にしてきた。手を取り合うことで人は最大限の力を発揮する。と思いきや、それは全体としての力で、個人としてはそうとは限らない。

団体競技、例えば綱引き。

1トンのパワーの持ち主が10人 vs 同じく1トンのパワーを持つ15人では、単純計算で5トンものパワーの差異がある。しかし、いざ始まってみるとなぜか勝負は拮抗し、辛うじて15人が勝った。これはなぜか。5トンもの違いがあれば、10人の方は引きずられて瞬殺されるはず。

答えはシンプル。『手抜き』である。それもたいていは本人は気づいていない。つまり無意識。無意識による手抜きでパワーでも人数でも勝っていたチームは危うく負けるところだった。ん?『無意識による手抜き』とはどういうことか。

これは『リンゲルマン効果』というもので、組織を構成する人数の増加に従い、個人が発揮する力は減少していくものである。つまり仲間が多ければ多いほど自分の実力は発揮されにくいということ。

仕事でも、スポーツチームでも、政治でも、少数精鋭でこそ、個人のチカラは最大限発揮される。