『百聞は一見にしかず』

百回聞くよりも一回見る方が確かなこと。ところが、人間の視覚というのは面白いもので、見たはずのものが実は見えてなかったりする。例えば、

「あ、ほら、あそこにウグイスがいるよ」
「え、どこどこ?」
「ほら、あそこあそこ」
「んー . . . . . .え?どこ?わかんない. . . .  あっ!ほんとだ」

と、指を指されてからウグイスを見つけるのに何十秒もかかってしまった。その間ウグイスは飛んでもいないし、たった一歩も動いていない。間違いなくその人の視界の中にウグイスは存在し、見えていたはずなのだ。

つまりものごとは単に目で見るだけでは不十分で、それを脳で認識してはじめて見ていることになる。「え、駅の横に喫茶店なんてあったっけ?」「え、そんなやつクラスにいたっけ?」..。と、これこそが視覚の死角で、いくら視界に入っていたとしても認識しなければ結局それはないものと同じで、見ていないのである。

そう、この記事もね。