逆 説 幸 福 論

水のように考えること

タグ:心理学

トレンド。流行や傾向のこと。ファッションの分野でよく使われ、その年のトレンド情報を得ることは各女性ファッション誌の重要な使命である。トレンドブーツやトレンドコート、トレンドネイルにトレンドヘアー。しかしそんなトレンド、果たして本当にトレンドなのか。

というのも、トレンド情報が世に拡散されれば、待ってましたとばかりに流行に敏感、いや、過敏な人たちはすぐさま食いつく。そうすると、街でトレンドに身を包んだ人たちを見かけたり、流行りにそこまで疎くないが興味はある人、つまり普通の人は、「あ、やっぱりあのトレンドきてるな」と判断し、そして自分も「遅れてはいけない」と、慌ててトレンドに乗っかる。そして街は結果的にトレンド情報通りになってしまう。

つまりあと付け。トレンドは本来トレンドではなく、その情報を流したことで、あと付けでトレンドになっていることがある。 そしてこれこそ、社会心理のトレンドである。

食べものを値切る。服を値切る。家や車を値切る。いいものをできるだけ安く買い、まるで勝ち誇った顔で、そのことを人に自慢する、もしくは一人優越感に浸る。結構なことだが、そんな消費者を幸せにする値切りにも落とし穴がある。

例えば好きなブランドの新作バッグがどうしても欲しい。でも金はない。値切るしかない。 店側としつこく価格交渉をし、常連客だからということで大幅に値切ることに成功。ルンルン気分でそのバッグを使い出す、のも僅か半年。飽きて新作が欲しくなる。

また例の行きつけの店に出向いたのだが、何やら様子がおかしい。店からは活気が衰え、なんだか商品も全体的に高くなっている。そのうえ『ワゴンセール』に『靴下のつかみ取り』?なんだか急に薄利多売に走ったように上品な店の雰囲気がガタ落ち..。

そうです、犯人はこの中にいる。といってももちろんこの人だけではないのですが、先日新作バッグを驚きの価格で値切ったこの人、あのあと友達に自慢します。そしてこの噂は広まりに広まり、「あの店はチョロい」と値切り客が殺到。今に至るというわけです。

つまり、です。値切れば値切るほどその店の商品の価格は上がり、商品や接客などのクオリティは落ちていってしまうのです。

消費者は『また来たい店』には値切らず、店側は消費者に『また来たい店』にさせれば、やがて商品の質は上がり、価格は安くなる、というわけです。

 

隙間。

一口に隙間と言っても、世の中には様々な隙間が存在する。モノとモノとの隙間、歯の隙間、ココロや産業にだって隙間があり、ツルツルの缶ジュースや大理石だって分子レベルやそれ以上では、若者の敬語の語尾のようにスカ、スカ、なのである。

そう、世界は隙間だらけ。そんな世界の住人『人間』には面白い性質があり、隙間ができればできるほど、それを埋めたがる。例えば、手帳やカレンダーに予定を入れている人が、そこに空白、つまり隙間を見つければ不安で仕方なくなり、無理にでも予定を作って埋めてしまう。

それが加速していけば、好きでもない習い事を始めたり、無理にでも恋人をつくったり、ペットショップへ走り出す。バリバリで働いていたビジネスマンや、やっとこさ育児から卒業した奥様などが特に陥りやすい傾向である。

隙間があるということは、たいていは十分に満たされていること、ということも忘れて。

 

コイントスで裏、裏、裏、裏、裏と出たら、次は何が出るだろう?

「次こそは表がくる」または、「いや、こんだけ裏が続けば次も裏だろう」..。こんなふうに一度でも考えたことがあるなら、キケン、である。今すぐその考えは捨てた方がいい。なにもコイントスだけの話ではない。人生においてキケンである。

え?「何がいけないのか」って?その考えが既にいけない。なぜならコインには表か裏しかない。なら前回や前々回の結果と今投げたコインに一切の因果関係はなく、百回投げようが千回投げようが1兆回投げようが、確率は毎回必ず2分の1。それを混同して考えるのはナンセンス極まりなく、無意味である。

これはギャンブラーの誤謬(ごびゅう)と呼ばれるもので、ギャンブルだけでなく株式投資や新規事業参入、スポーツの勝敗に、はたまた恋愛にまでも同じようなことが当てはまる。「次こそは」「この次こそは」「これで最後だ」「もういっちょ!」.. と、どんどん深みにハマっていき、やがて抜け出せなくなる。

え、それでもなかなかギャンブルはやめられない?大丈夫ですよ。きっと明日こそ、いや明後日こそ、いやそれかその次こそきっときっとやめられますよ。

ミラーリング効果とは、好きな人の仕草、動作、口調などを無意識にマネること。

自分と似たような人になかなか不快なイメージは湧きにくいもの。「似たもの夫婦」とよく言いますが、これもちゃんと説明がつきます。まず、他人に好意を寄せる人はその人の仕草や言動をマネし出す。そうすると相手もだんだん自分に似てきたマネ師に好感を持ち始め、マネ返す。両者の間にはほぼ無意識にモノマネ合戦が開催され、いつしか二人はそっくりさんに。

つまり偶然ではなく必然だったわけです。この効果を意図的に操れば、社内やクラスの中に自分の分身を作ることも可能なわけです。好かれれば好かれるほど人は自分に似ていくのですから。

あ、でもでも、必ずいいところばかりマネされるとは限らないので、実行前に短所は修正しておいた方が良いかもしれませんね。鏡だけでなく、鑑になれるように。


コケる瞬間。殴られる瞬間。携帯トイレ水没の瞬間に、駆け込み乗車失敗イコール遅刻決定の瞬間..。蜘蛛の巣状に危機的状況の張り巡らされたこの世界。そんな状況に陥ったとき、世界がスローモーションに見えることを『タキサイキア現象』と呼ぶ。きっと読者の中にも経験者がいるだろう。

もちろん実際に時間が遅くなったり静止しているわけではない。これは我々人間が生まれ持った自己防衛手段の一種で、人は危機に直面すると出血をできるだけ回避しようとする。そのため血管を瞬間的に収縮させ、それと同時にその他の身体機能を低下、その結果本来眼から脳へ伝わるはずの信号も鈍足化され、世界がスローモーションに見えるという。つまり脳の錯覚である。

慌ただしい現代社会。人々は競うように歩を進め、黄色で止まれば後ろからはクラクションに60秒で出てくるハンバーガー。しかし急げば急ぐほど簡単な作業でも精度や注意力は落ち、「待ってました」とばかりにやってくるタキサイキア現象。今日だけでもいい、たまにはゆっくり歩いてみてはどうだろう。


「仕事を先延ばしすることは、片付けることの倍の時間とエネルギーを要する」

面倒な仕事を先送りにしてしまうと、それが気がかりになって今の仕事の精度は下がる。また、いざその仕事を片付けようとすれば、内容を思い出す作業から始めなければならず、体だけでなく頭のエネルギーも余分に必要になる。つまり仕事を放置すればするほどそれに費やすエネルギーは倍増してしまうのである。

仕事に取りかかった時点でもう終わったようなもの。躊躇してたら時間を盗まれる。時は待ってくれない..。んー、あんまりしっくりくるオチが見つかりませんが、先延ばしは良くないのでこのまま終わりまーす。

フロントホックブラの法則とは、女性に「フロントホックブラってどんなブラ?」と聞けば「前にホックがあって付けやすいブラ」と答えるが、同じ質問を男性に聞けば必ず「前にホックがあって外しやすいブラ」と答える法則である。

と、この話をすれば女性陣からはたいてい「男ってみんな変態ね」というお褒め(?)の言葉を頂くのだが、しかしこれは大きく間違っている。もし上記の法則が正しいのなら、「つけやすいブラ」と答えた男性の方がよっぽど変態の確率は高いのである。

ほんと、先入観というのは付けやすく、外しにくいものですね。


ハロー効果とは、ものごとを判断する際に、それとは関係ないバックグラウンドが影響すること。

例えば、有名大学の卒業生や教授、成功したスポーツ選手の話す言葉はたとえ本人の専門分野でなくとも、はたまた根拠や証拠がなくともそれっぽく聞こえてしまう。また、好感度の高いタレントが宣伝する商品は他社製品よりも信頼し、さらに字がキレイだったり英語がペラペラなだけでその人を賢いと思い込んでしまう。

他にも「医者」や「弁護士」に「社長」などの肩書き。確かにその分野では秀でたものを持っているのかもしれませんが、それ以外では全く関係ありません。同じ土俵です。こんなムダな心理効果とは気にせずグッバイしちゃいましょうね。


セルフハンディキャッピングとは、自分自身にハンディキャップを設定することで、失敗のショックを抑えたり、成功の喜びを増大させること。

例えば、テスト前に「俺、全然勉強してねーやー」と周囲に公言する。 そうすることで悪い点を取った時のショックは減少し、逆に思ったより良かった時の喜びは増大する。これは自分の勝利や成功に確信がない時に行う人間の心理的傾向で、『風邪』や『ケガ』『睡眠不足』などを理由に予めハードルを低く設定し、結果がどちらに転んでもプライドが傷つかないようにするためである。

しかしあまり使い過ぎるとクセになり、やがてハンディキャップなしでは生きていけなくなるんじゃないですかね。まぁ、これはあくまで聞いた話なのでそんなに正確ではないですし、それに私の説明もすごく下手なので、皆さんに伝わったか定かではありませんが..

あ~なんか熱っぽいわ~.. 

 

沈黙の螺旋(らせん)とは、少数派の人間が、多数派の反対や孤立などを恐れて沈黙を通してしまう悪循環のこと。

たとえその人が合理的な意見やもっともらしい考えを持っていても、自分が少数派であると自覚すれば、そっと意見を胸にしまい黙り込んでしまう。そうすると多数派の意見はますます力を拡大させ、少数派はあれよあれよと衰退してしまう。

この理論を大きく左右しているのがインターネットだろう。互いが顔を合わせず様々な人が意見を交わせるインターネットの利用者は年々増加傾向にあり、また、メディアがひとたび『世論』という言葉を使えば社会は一気に同調してしまう。

テレビや新聞にインターネット。今の世の中はちょっと情報が多過ぎ。それではかえって視野が狭くなっていく。あんなものいっそ無くしてしまえばいい。と思いませんか?あ、思わないならいいんです.. が.. 

. . . . .

 

重畳(ちょうじょう)効果とは、似たような情報は記憶に残りにくいこと。

例えば電話番号や年号などの数字や記号の羅列、スペルの同じような英単語、また、似たような名前に似たような顔はとても覚えにくいだろう。

たとえド派手な車が一台停まっていても、その周りの車もド派手なら個々の車に対する印象は残りにくいだろう。いや、それどころかその場合はかえって地味な車の方が脳裏に焼き付いてしまうだろう。また、言葉の語尾なんかも毎回同じだったらきっとその文章は印象に残りにくいだろう。
 
たまにはこんな記事もいいだろう?

 

このページのトップヘ