ヒーロー。仮面ライ◯ーやスー◯ーマン、スパイダー◯ンにアンパ◯マン。また、現実の世界でも悪をくじき弱きを助けるような人のことを我々はヒーローと呼ぶ。しかし、ヒーローの慈善行為は時に大きな大きなジレンマに直面する..

かつて映画『ダークナイト』で史上最凶の悪党ジョーカーがバットマンに吐いたセリフ「お前が俺を完成させる」は、まさに真理をついていて、正義の力が大きくなればなるほど悪の力も大きくなる。

つまり悪を増殖させているのは誰でもない、お前なんだ、と、正義の味方バットマンの存在を全否定、いや全肯定して精神的に追い込んだジョーカー。彼が狂気と快楽だけで行動するただのサイコパスではないことを自ら証明してみせた。

決して悪を肯定してはいけないが、真っ向から否定してしまうのはもっとよくない。悪魔がいるから神がいて、困難があるから成功がある。病気があるから健康があり、差別があるから平等があり、不便があるから世の中はどんどん便利になっていく。一番悪いのは『悪い』ということから目を背けてしまうこと。それが本当の敵。