逆 説 幸 福 論

水のように考えること

タグ:死刑囚

死刑。言うまでもなく日本は死刑を採用しており、その是非について世界的な議論がなされているが、倫理的な問題は今回は置いといて、『死刑囚のパラドックス』というものがある。

とある刑務所でのこと。ある死刑囚が看守にこう告げられる。「来週の月曜日から金曜日までのお前の予測できない日に刑を執行する」と。しかしそれを聞いた死刑囚はなぜかニヤリ。そしてこう言った。

「『予測できない日』と言ったな? なら刑は執行不可能だ 。なぜなら、もし刑の執行日が金曜日なら木曜の夜の時点で俺はわかる、つまり予測できるだろ?なら金曜が消えたら木曜か?いや、それなら水曜の夜の時点でわかる。これと同じように水曜、火曜、月曜と、全て予測可能だろ?つまり予測できる。従って刑は執行できないぜ!ははは!」と。

しかし、彼の予測とは裏腹に刑は執行された。死刑囚のヘリクツは無視されたのか。いや違う。死刑囚の持論を振り返ると、彼は金曜から順に月曜まで刑の執行日の可能性を消していき。その全て消した。全て消した。つまり選択肢を全て消したことで、自らの手で予測不可能な状態にしてしまったのだ。

筋は悪くなかったですが、残念でしたね。と、今日はここまで。あ、そうそう。明日の私の記事も皆さんが絶対に予測できない時間にアップさせていただきます。ではでは。


1883年、ブアメードという死刑囚を使い、ある実験が行なわれた。

刑執行の日、医師は死刑囚をベッドに寝かし、目隠しをさせ、そしてゆっくりと手首にメスをあてた。その床にはバケツが置かれており、自分の血が滴る音を聞いた死刑囚は、涙とともにやがて静かに息を引き取った。そしてまもなく医師は死亡を確認した。手首に一切の傷のない死刑囚の死亡を。


おわかりでしょうか。つまり、医師は死刑囚のどこも切っておらず、そして血の代わりに水滴をバケツに垂らしていただけであった。そう、「思い込み」によって彼は死んだ。一滴の血も流すことなく、刑は執行されたのである。


人間の思い込みは実におもしろいものです。体温を測り、高熱に気づいたその瞬間から急にしんどくなったかと思えば、ただのビタミン剤を「風邪薬だ」と言われてコロッと治ってしまう。

もちろん善くなればそれでいいのですが、いつもついつい悪い方に思い込み、ありもしない傷で、自らを深く傷つけてはいませんか。

そんなマイナスなイメージとは今すぐ手を切った方がいいですね。



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