どうして水よりダイヤモンドの方が高いのか。

水は人間にとって必要不可欠。なければ必ず死んでしまう。それなのに比較的安価で、場所によってはタダ。一方ダイヤモンドは、必要な人には絶対必要かもしれないが、普通、なくても死なない。なのにダイヤモンドの方が圧倒的に高価である。これはちとおかしいのではないか。

だが実際はおかしくはない。そもそも、我々が言う『価値』には有用性である『使用価値』と、商品としての『交換価値』とがあり、使用価値が高く交換価値が低い水に対して、交換価値が高く使用価値の低いダイヤモンド。つまり生きるか死ぬかではなく、希少かそうでないかが価格に大きく関わっているのである。

人間の価値も自分にしかないもの、言わば原石を磨けば磨くほど、その人の世間的な価値は上がります。しかし、それが必ずしも使用価値の上昇に繋がるか、つまり世間が求めているかどうか、それはまた別の話、というわけです。