「アメリカ人はトウモロコシでできている。」


例えば、アメリカの国民食と言ってもいいハンバーガー。ハンバーガーのパテである牛肉のほとんどはコーンで育てられた牛であるし、それを挟むバンズも小麦ではなくコーンフラワーだったりする。セットで頼めばコーン油で揚げるフライドポテトに、コーンシロップの入った炭酸飲料。おまけに持ち帰るビニール袋までもコーン製というから驚きだ。 

しかし、何もハンバーガーショップだけではない。豚肉、鶏肉、パン、ソース類、何を作るのにもコーンが原料になっていて、あるアメリカ人の髪の毛からはコーンの成分が検出されたという。もう、頭からコーンが生えてくるようなものである。


この話は2007年公開のアメリカのドキュメント映画『キング•コーン』で明らかになったものであり、コーン輸入大国の日本の国民である以上、決して人ごとではないのである。

コーンからできたジュースを飲み、コーンをエサとした肉をコーン油で揚げるなんて、コーン好きにとってこーんなに嬉しいことはないのかもしれないが、ちなみにここで言うコーンは、私たちがよく知るスイートコーンではなく、家畜飼料用のコーンである。つまり、我々はコーン産業の立派な家畜なのである。

世の中そんなに甘くない。