逆 説 幸 福 論

水のように考えること

タグ:無限ループ

平穏な村に、突如人喰いワニが現れた。

ワニは子供を人質に取り、その子の母親にこう言った。「おいお前!ガキを喰ってほしくないか?いいだろう。ならオレがいまからすることを当ててみろ。当てたらガキを返してやる。だが!外れたらお前の目の前でムシャムシャと喰ってやる!」 

こいつはてぇへんだ。もちろん母親はあわてふためき取り乱して動揺ののちパニックを起こしている、かと思いきやなぜかニンマリ。あまりのショックで気が狂ったか。いやいや、そうではない。というのも、母親はワニの言葉をしっかりと聞いていた。そしてワニにこう言い返す。

「アナタは子供を食べるでしょ」

へ?まさかのアンサー。やはりオカシくなってしまったのか。かわいそうに。ところが、ワニは子供を目の前にして硬直。その隙に子供は自力で逃げ出すことに成功した。なぜか?なぜワニは固まってしまったのか。

じつをいうと、母親の予想はハズレだった。となればワニは違うことを考えていたので子供を食べていいことになる。しかし!食べようものなら母親の予想はやっぱりアタリ。なのでワニは子供を食べてはいけない。でも食べないのなら母親の予想はハズレ。でも食べたら.. んー、まさにワニワニパニック。結局ワニは子供を食べることも食べないことさえもできなくなってしまったのだ。

矛盾という名の猛獣に喰われたワニくんだったのでした。



誰もが一度は『なんで攻撃』を受けたことがあるだろう、そしてしたこともあるだろう。

『お風呂入りなさい 』『何でお風呂入るの?』『入らないと汚いからよ』『なんで入らないと汚いの?』『ばい菌がいーっぱいだからよ』『なんでばい菌がいーっぱいなの?』『いいから入りなさい!』『なんでいいから入るの? ねぇ〜なんでなんでなんで . . . ?』『 . . . 』


まるで向かい合わせた鏡の中に自分の姿が無限に写し出されるように、理論的根拠はどこまで遡っても永遠に後退してゆく。




幼い頃、何もかもが不思議だった。見るもの全てが新しく、隣町に行くだけで大冒険だった。しかしそんな世界にも慣れ、同じような毎日に飽きてしまってはいないだろうか。

ものごとに『慣れる』『飽きる』というのは自分がそのコツを得た瞬間。と同時に自分の成長が止まった瞬間である。疑問を持つのをやめた時、人の成長は止まってしまう。

『?』は時を無限に遡る。しかしそれに反比例し『?』を持つ者は無限に未来へと前進してゆく。

前進したいなら疑問を持つのをやめないこと。


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今からタイムマシンで過去に行き、あなたが生まれる前の親を殺せばどうなるか?(※ハッピーエンドなので、どうぞ『名探偵コ◯ン』的な気分でご読了下さい。)




答えは簡単。『自分は生まれてこない』


本当にそうだろうか。もう一度考えてみよう、犯人は誰だったのか。親を殺したのはいったい誰だったのか。

そう、『犯人は、この中にいる!』

そもそも自分が生まれてこなかったら親は殺されなかった。親は殺されないため、あなたは生まれてくる。あなたが生まれてくればまた . . . 無限ループスタート。




人と人との出逢い。

それは、落とした腕時計がバラバラに壊れてしまった挙句、その部品同士が跳ね回り、再び偶然にくっつき、元通りになるのことと同じぐらいの確率だという。もう奇跡以外のなにものでもない。


親と子もまた一つの出逢い。バラバラの時計よりももっともっと強力な出逢い。


たとえ時空を超えて過去に戻り親を殺めようとも、自分は何度でも生まれてくる。

そう、親と子の出逢いとは、どれだけ争おうがどれだけ壊れようが、絶対にバラバラにはできない奇跡で結ばれている。





バーロ、あれは金田一だよ。

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あなたは、恐怖のオークション、

『一万円札オークション』 を、知っているだろうか?


その名の通り、

勝てば、『一万円札』が手に入るオークション。








ルールは簡単。ほぼ普通のオークションと同じで、


相手より高い金額を付ければ、競り落とすことができます。










ただ、ただ一つだけ制限があります。



それだけでは主催者が丸損をしてしまうので、

2番目に高い金額を付けた参加者が、その付けた金額分だけ支払わなくてはなりません。



それだけです。








たったそれだけです。 .  . . 















さて、


あなたはどう競る?



そしてどう勝つ









おっと、その前に、






参加しますか?


しませんか?









え? 勝てるかわからない?





でも、周りの方が引っ込み思案なら、運良く勝てるかもしれませんよ。

タダ一万円、貰えるかもしれないんですよ?







決まりですね?


では、行きましょう。

















『一万円札オークション』

スタート!


























『100円!』



『200円!!』

『300円!!!』



 まだ各々、相手の顔色を伺っていますね . . . 




『1000円!』

『2000円!!』


『4000円!!!!』


 . . .



思い切ったあなたは、

『6000円!!!!!! 』






『7000円!!!!!!!』

しかし、他の参加者も負けていません。






なら、

『8000円!!!!!!!!』



『8500円!!!!!!!!!』



ええい、これで最後だ、

『9000円!!!!!!!!! 利益は1000円か、負けてもゼロだ!』











ちょ、ちょ~っと待って下さい。

















今なんて言いました?






負けてもゼロ
 . . だ?













『へ?』









ここでやめられたら、9000円頂くことになりますよ。



忘れないで下さい。最後から2番目に値をつけた方には、ご自身でおっしゃられた金額だけ支払ってもらいます。今やめられたら、あなたが支払わなければいけない金額は9000円です。だって今、



別のかたが

『9001円』と、おっしゃられたので。




続けますか?

落札価格はおそらく9001円です。あなたがやめることができれば . . の話ですが。





やめればたった一円の差ですが、その差で勝者が決まります。一円の差ですが、勝者の彼は一円も払う必要はありません。一円の差であの方が999円手にされ、あなたは9000円の損失をします。支払うのは一円差で負けるあなただけです。どうされますか?続けますか?








『やります。』


10000円、11000円、12000円 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .






















いかがでしたか?







もうやめた!』ら、損をしてしまうあなたは、もうやめられなくなりましたね。永遠に。






このやめられない止まらない、いわゆる『かっぱえびせん現象』は、

"本来少ない利益をめぐった競争が、いつしか、とてつもなく大きなものになってしまい、収拾がつかなくなること"

の、良い例ですね。











何とは言いませんが、

世界規模で行われている国同士のヒーローごっこや、陣取りゲームだって、はじめはきっとそうだったはずです。しかしいつからか . . 



















では、最後に、



今日は、とっておきに、

『一万円札オークション』に勝つ方法をお教え致します。





簡単です。












『協力』です。













誰かが『1円』と言って、他の誰かが『2円』 と言う。これだけです。


そして、落札者と2位の方が支払った合計は3円。残りの『9997円』をみんなで分け合えばいいだけです。たったそれだけです。
















ホントはわかってたんでしょ?























協力すれば、


みんなが仲良くできることくらい。




















協力すれば、



世界が平和になることくらい。













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人食いワニが現れた!



そして子供を人質に取り、その子の母親にこう言った。





『オレがこれから何をするか言い当てたらお前の子供を食わないが、不正解なら食う。』 












 これはたいへんだ。

 




















しかし、人々の心配をよそに、次の瞬間、ワニは母親の言葉に凍りついてしまう。



 


























『あなたは子供を食べるでしょ。』




 










 . . . 




















わかりました?





















もしワニが子供を食べようとしていたら、

母親はワニのしようとしていた事を当てたので、ワニは子供を食べてはならない。





逆にワニが何か違う事を企んでいたのなら、母親は不正解なので、ワニは子供を食べていいことになる。


でももし食べようものなら母親の言っていた事は正解になってしまうので、やっぱり子供は食べられない。











人食いワニはパラドックスの無限ループに陥り、


子供を食べる事も、食べない事さえもできなくなってしまう。











さて、




混乱中のワニ君は置いといて、






『不思議の国のアリス』の作者としても有名なルイス•キャロル氏が書いたこの話、








実はこれ、


ベルに使われている原理と同じなのです。




通電すると電磁石に引っ張られ接点が離れ、そうすると電磁石が磁力を失って、また接点がくっつき通電する。


それを繰り返し『ジリリリリリリッリリリリリーッ!!』と音が鳴る。





まさに今のワニ君の頭の中を表しているようですね。










混乱という無限ループに陥ってしまったワニ君ですが、

今日、私たちは彼らのお陰で、恐くて危険なモノからいち早く避難する事ができるのです。





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