隙間。

一口に隙間と言っても、世の中には様々な隙間が存在する。モノとモノとの隙間、歯の隙間、ココロや産業にだって隙間があり、ツルツルの缶ジュースや大理石だって分子レベルやそれ以上では、若者の敬語の語尾のようにスカ、スカ、なのである。

そう、世界は隙間だらけ。そんな世界の住人『人間』には面白い性質があり、隙間ができればできるほど、それを埋めたがる。例えば、手帳やカレンダーに予定を入れている人が、そこに空白、つまり隙間を見つければ不安で仕方なくなり、無理にでも予定を作って埋めてしまう。

それが加速していけば、好きでもない習い事を始めたり、無理にでも恋人をつくったり、ペットショップへ走り出す。バリバリで働いていたビジネスマンや、やっとこさ育児から卒業した奥様などが特に陥りやすい傾向である。

隙間があるということは、たいていは十分に満たされていること、ということも忘れて。