逆 説 幸 福 論

水のように考えること

タグ:貧乏

幸か不幸か、世界には様々な格差がある。収入や地位、知名度や生まれや育ちにまでも格差がある。そんな格差を埋めるべく、世界では様々な支援活動が行われているが、そんな温かい光景の中にも、パラドックスは抜かりなく潜んでいる。

例えば『貧富』という格差。この格差を埋めるには本人の努力以外に何が考えられるか。仕事を与えてもいいのだが、それではちと時間がかかる。加えてそういう仕事にさほどの高収入も期待できない。ならば、だ。手っ取り早くお金をあげればいいのである。

優しい。いや、易しい。二日酔いの朝のおかゆくらいやさしい。いや、貧血で倒れた時の保健室の先生くらい、いや、エスカレータ式の高校くら、あ、いや、失礼。少々脱線してしまった。が、そう、こんなナマやさしい答えなら誰でも思いつく。ゆえに正解ではない。 

というのも、貧乏人にお金を与えれば、ギリギリ貧乏じゃない、または本当に貧乏な人から見れば十分裕福か、今度はそんな境目に立っている人たちが一番苦しい生活を余儀なくされる。つまり、貧乏人に金銭を与えるだけでは何の解決にもならず、むしろ事態を悪化させてしまうのである。

そう、世の中はそんなにやさしくない。


「貧乏は太る」


信じられるだろうか? 

古くから裕福の象徴は「肥満」。そして貧乏の象徴は「痩せ」。しかし、今、やせの象徴である貧乏が太りに太っている。ちまたに「肥満貧乏」なる者が溢れ返っているというのだ。


その主な原因は、ハンバーガー、牛丼、即席めんなどの、高カロリー、高脂肪、高塩分、多量の砂糖を含み、ビタミン、ミネラル、食物繊維はあまり含まれない食品、いわゆるジャンクフード。その価格競争は激化し、100円でハンバーガーが食べられる時代。一方、オーガニックフードやトクホ商品はたとえ値を上げようとも、金銭的に余裕のある人たちに飛ぶように売れていく。

おまけに彼らはジムに行き、専属のトレーナーをつけ、終いには美容整形で根こそぎ脂肪を吸引してしまう。これでは金持ちは痩せても、貧乏者はどんどん太ってしまうのだ。

どちらが幸せなのかはわかりませんが、食事なんかと一緒で、幸せも、八分目くらいがちょうどいいのかもしれませんね。


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