逆 説 幸 福 論

水のように考えること

タグ:遊び

食べ物だけでなく建て物までも年々欧米化していく今日このごろ。そんな今日このごろになる前、子供たちの背徳ゴコロをかき立てまくった禁断の遊び、そう、障子破り。

バレないように指につばをつけて、ゆーっくりとスクリューをかけながら貫通させるあのときの喜びは、何ものにも代え難い。しかしやったはいいものの、ごまかすのはほぼ不可能。見つかればこっぴどく叱られる。でもあの「ぼすっ」という快感..。あの障子の向こう側には何があるのか。本当に窓や隣の部屋があるのか。ひょっとして異次元の世界があるのかもしれない。そんなことまで想像してしまう。

そんな禁断の障子破りにも、時にフィーバーが訪れる。そう、年末だ。年末の張り替え時にはオトナのお墨付き、いや、むしろGOサインが出て、思う存分障子を破ることができる。指でそっとあけてみたり、渾身の右ストレートをぶちかましたり。掟破りの目つぶしだって解禁だ。目は完全にイっている。 

5分経過 . . .

快感よりもむしろむなしさがこみ上げる。なぜだ。なぜあんなにやりたかった障子破りがこうもつまらないのだ。答えは「GOサイン」にある。そう、障子破りは禁じられていたからこそ、面白かったのだ。禁じられていない障子破りなど面白くも何ともない。

叶わないほうが幸せなことは、世の中には山ほどある。

 


どちらの方が臆病か。

威勢のいい二人の若者がそれぞれの車に乗り込み向かい合って走り出す。先に避けるかブレーキを踏んだ方が負け、不名誉なチキンの称号が与えられる。 


ここで、このレースに勝つとっておきの必勝法を紹介しよう。先に自分の選択肢を無くしてしまうのだ。

では、どのようにそうするのか。簡単。ぶつかる前にハンドルを取ってしまうのである。走りながらハンドルを取り、それを相手に見せる。それを見た相手はよほどの自殺願望がない限り『やべっアイツ頭おかしい』と、ハンドルを切る。つまりあなたの勝ち。そう、ハンドルを取った時点で勝利が確定する。


とも言い切れない。何故なら相手も同じことを考えていて、全く同じタイミングでハンドルを取るかもしれない。『おいおいおい、同じことするなよ!意外と気が合うんじゃないか〜』THE END。



待てよ。なら、はじめからハンドルを取って走ればいい。

しかし!向こうもはじめからハンドルを取っているかもしれない。『何ぃい!ひょっとして親友になれたんじゃないか〜』、THE END。続編無し。


いや、そんなレース走る意味がない。結局意気投合した彼らが人生のハンドルを誤ることはなく、そのまま二人で遊びに出掛けたとさ。めでたしめでたし。


そう。遊ぼう。

人生のハンドル操作にも必ず遊びが必要である。






山田くんハンドル全部持ってって!



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